ある日、私のツイッターのもとにこんな質問が届きました。
バファリンは熱の予防に使えますか?
大事な試験の前や絶対にはずせない用事、旅行なんかがあると熱が出ては困りますよね。そんなときに事前にバファリンのような解熱剤を飲むことで熱を予防できるのか?という質問です。
今回はこの質問についてお答えします。
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解熱剤は熱の予防には使えません
最初に結論を言っておくと、解熱剤は熱の予防には使えません。バファリンだろうとロキソニンだろうとイブだろうと、どの解熱剤も使えません。
なぜなら解熱剤は、平熱よりも上がった熱を下げるものだからです。
これから上がるかもしれない熱を抑えるような予防効果は残念ながらありません。
また解熱剤は、平熱よりも体温を下げるような働き方はしないと言われています。(人によっては平熱より下がってしまう方もいるようです。)
もう1つ覚えておいてほしいことは、解熱剤のような症状を抑えるお薬は、今出ている症状を抑えるだけのもの。基本的に対症療法として使われるものです。
そのため、解熱剤を熱の予防に使うことはできません。
解熱剤の他に風邪薬や咳止め、鼻炎薬も今まさに出ている症状を抑えるもの。お薬を飲んで効果が持続している間は症状を抑えてくれますが、お薬が切れたらまた症状は出てしまいます。
市販薬で症状の予防に使えるお薬はない、と思ってもらってOKです。
そもそも何で熱が出てしまうの?
風邪をひくと熱が出ることがありますよね。そもそも何で熱が出るかご存知ですか?
この理由を知ると解熱剤を安易に飲んでも風邪が治らないことがわかるでしょう。
熱が出る理由
熱が出る理由は単純で体の温度が高い方が、体が病原体と戦う力が増すためです。
つまり体内に侵入した病原体を早くやっつけるために、熱が出ているんですね。
熱が出たから解熱剤!は間違いのもと
早く体を元気にしようと病原体と戦うために熱が出ているのに、その熱を下げてしまったらどうなるでしょうか。
もちろん、病原体をやっつけるのに時間がかかってしまうため風邪の治りも遅くなってしまいます。
だから熱が出たから下げなきゃ!解熱剤を飲まなきゃ!という考えは実は正しくないのです。
解熱剤は熱を「下げる」ものであり「治す」ものではありません。飲んだから熱が治るということはないので注意。熱を下げることで体を楽にしてあげるだけです。
どういう状況のときに解熱剤を飲めばいいのか
熱を下げたら風邪の治りが遅くなると言いましたが、決して解熱剤を飲むなと言っているわけではありません。
- 熱が出ることによって生活に支障が出ている
- 高熱により体力を消耗している
こういった理由があるときは、もちろん我慢せずに飲んで構いません。試験前なのに熱があっては勉強に集中できませんし、熱があるまま仕事をするのは大変きついです。
また高熱によって体力が消耗されると、体に大きな負担をかけてしまいます。
熱があると不便だ、体に負担をかけるといったときに解熱剤を使うのは間違った使い方ではありません。
熱を予防したいときはどうすればいい?
ドラッグストアにお薬を買いに来られる方にもけっこうな頻度で「風邪を予防したい」「早く治したい」と言われる方がいます。
そのような方が口を揃えて言われるのが「何か風邪を予防できるお薬はありますか?」という質問です。
病気を予防できるお薬なんてワクチンくらいしかありません。それ意外のお薬は今出ている症状を抑えるだけのものです。何度も言いますが市販薬で予防はできません。
でもどうしても予防したいと思われている方もいるでしょう。
あえて予防方法を挙げるとしたら
- 疲れをためない
- ムリをしない
- 手洗いうがい
が挙げられるでしょう。
こういった基本的なことが1番効果的で大事なことです。体に疲れがたまり負担をかけているとすぐに体調を崩します。
風邪の予防は自分自身の体のケアが1番です。
まとめ
- 解熱剤で熱の予防はできない
- 解熱剤は今ある熱を下げるもの
- 解熱剤を飲んでも熱は治せない、症状を抑えるだけ
- 熱を下げることで体の免疫力を下げてしまうが、症状がつらいときは解熱剤を飲む
- 熱の予防は体のケアが1番
大事な日に熱を出したくない、という気持ちは非常にわかります。熱によって予定が崩れたり、日常生活に支障が出たりしては嫌になってしまいますよね。
でも熱を予防できるお薬はありません。体に疲れがたまり免疫力が落ちているときが1番風邪を引きやすいタイミングです。
熱を予防したい方は体のケアに力を入れましょう。