市販薬・健康

解熱鎮痛薬「ロキソニン」の違いを比較!効果や成分を解説

市販でロキソニンが発売された当初は、ロキソニンSという青い箱に入った商品1つのみでした。しかし、現在はさらに種類が増え、ラインナップは全4種類に。

「ロキソニンの種類が多すぎて選べない」
「どれを買ったらいいのかわからない」

と悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、ロキソニンの違いをわかりやすく解説します。

岡本

どのロキソニンが自分に合っているのか、ぜひ参考にしてみてください。

市販のロキソニンの簡単な違い

市販のロキソニンの違いは、パッケージを見てもなかなかわかりません。箱の色が違うだけにも見えますが、実は4種類それぞれに特徴があります。

商品名ロキソニンSロキソニンSプラスロキソニンSプレミアムロキソニンSクイック
画像
1箱あたりの値段約540円約700円約1280円約880円
1回あたりの値段約45円約58円約107円約73円
胃を守る成分×
眠くなりやすい成分×××
カフェイン×××
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ロキソニンSに胃薬の成分が入ったものが、ロキソニンSプラス、さらに鎮痛効果を高める成分(眠くなる成分とカフェイン)が加わったものがロキソニンSプレミアムです。

ロキソニンSクイックは、胃を守る成分が配合され、さらに効き目が速い特徴があります。

ロキソニンシリーズの基本情報

ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアム、ロキソニンSクイックの4つの商品すべてに共通することがあります。それは効能効果です。

効能効果
  • 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
  • 悪寒・発熱時の解熱

どのロキソニンも、効能効果に変わりはありません。

「あれ?ピンクのロキソニンは生理痛専用じゃないの?」と思う方もいるでしょう。箱の色がピンクなので間違いやすいのですが、たまたまピンク色をしているだけでこちらも頭痛や発熱などに使用できます。

ロキソニンSの成分と特徴

ではまず、最もポピュラーとも言えるロキソニンSの成分や特徴を詳しく見ていきましょう。

ロキソニンSの成分(1錠中)

ロキソプロフェンナトリウム水和物・・・68.1mg(無水物として60mg)

ロキソニンSの特徴

ロキソニンSは、初めて市販されたロキソニンです。成分を見てもらうと分かるようにロキソプロフェンナトリウム水和物以外の成分は一切、含まれていません。

ロキソプロフェンナトリウム水和物とは、ロキソニンの主成分の解熱鎮痛成分です。プロスタグランジンという痛みを引き起こす原因となる物質が合成されるのを抑える働きを持っています。

これは病院で貰える医療用のロキソニンと全く同じ処方です。

岡本

いつも病院で貰っているロキソニンと同じものが欲しいという方は、市販ではこのロキソニンSを選ぶとよいでしょう。

ロキソニンSプラスの成分と特徴

ロキソニンSプラスは、ピンク色の箱が目印の商品。見た目はいかにも生理痛専用のお薬のような雰囲気がありますが、歯痛や腰痛、頭痛など幅広く使えます。

ロキソニンSプラスの成分(1錠中)

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物・・・68.1mg(無水物として60mg)
  • 酸化マグネシウム・・・33.3mg

ロキソニンSプラスの特徴

ロキソニンSプラスは、ロキソニンSに酸化マグネシウムが加えられたお薬です。

酸化マグネシウムとは

胃酸を中和する働きを持っている成分。

ロキソニンによる胃腸障害を軽減するために加えられています。

ロキソニンをはじめ、多くの解熱鎮痛剤は副作用として胃に負担をかけやすいものです。胃腸障害の副作用があるため、解熱鎮痛剤は食後に飲むようにとなっています。

副作用の胃腸障害を少しでも軽減するために作られたのがこのロキソニンSプラス。胃酸を中和する酸化マグネシウムを配合することで、胃に優しい処方となっています。

岡本

胃の調子が気になる方はロキソニンSプラスを選ぶとよいでしょう。

ロキソニンSプレミアムの成分と特徴

市販のロキソニンの中では最もお値段が高く、また、最も効き目が高いのがロキソニンSプレミアムです。

ロキソニンSプレミアムの成分(2錠中)

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物・・・68.1mg(無水物として60mg)
  • アリルイソプロピルアセチル尿素・・・60mg
  • 無水カフェイン・・・50mg
  • メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・・・100mg

ロキソニンSプレミアムの特徴

ロキソニンSプレミアムはロキソニンSにアリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを加えたもの。

アリルイソプロピルアセチル尿素ロキソニンの鎮痛効果を高めるための成分。眠くなることがある。
無水カフェインロキソニンの鎮痛効果を高めるための成分。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム胃酸を中和し、胃の粘膜を保護することで、胃の負担を減らす。

鎮痛成分しか入っていないロキソニンSに、もっと効き目を良くする成分と、胃を守る成分が加わったものです。

岡本

より高い効果を求める方はロキソニンSプレミアムを選んでみてください。ただし、鎮静成分が含まれているので眠くなることがあります

ロキソニンSクイックの成分と特徴

つらい痛みや熱に速く効くよう、錠剤が素早く溶けるように工夫されているのがこのロキソニンSクイックです。

ロキソニンSクイックの成分(1錠中)

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物・・・68.1mg(無水物として60mg)
  • メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・・・100mg

ロキソニンSクイックの特徴

ロキソニンSクイックの特徴は、なんといっても錠剤が速く溶けるように設計されていること。第一三共独自の技術である「クイックブレイク製法」を採用することで、すばやく解熱鎮痛効果を発揮するようになっています。

岡本

通常のロキソニンも15~30分程度で効き始めます。「そんなに待てない!」という方はロキソニンSクイックを選ぶとよいでしょう

ロキソニンの選び方

最後に、それぞれのロキソニンがどのような人に向いているのかを簡単にご説明していきます。

成分の違いを見てもいまいち違いが分からないという方は、次のポイントを参考に、自分い合うものを見つけてみてください。

ロキソニンSが向いている人

ロキソニンSは、最も基本的な処方のもの。鎮痛成分以外の成分は何も含んでいないシンプルな処方です。そのため、以下のような人に向いています。

  • 病院と全く同じ成分のロキソニンが欲しい人
  • 眠くなる成分を含んでいないものが欲しい人
  • カフェインが入っていないものが欲しい人

ロキソニンSプラスが向いている人

ロキソニンSプラスは、ロキソニンSに胃薬の成分が入ったものでしたね。そのため、以下のような人に向いています。

  • 胃の調子が気になる方
  • 眠くなる成分を含んでいないものが欲しい人
  • カフェインが入っていないものが欲しい人

ロキソニンSプレミアムが向いている人

ロキソニンSプレミアムは、鎮痛成分の他に、鎮痛効果を高める成分が2種類と、胃を守る成分が1種類配合されています。鎮痛効果を高める成分のうち1種類は眠気を催すこともある成分です。そのため、以下のような人に向いているでしょう。

  • とにかく効き目の強いものが欲しい人
  • 眠くなっても大丈夫な人
  • カフェインに対してアレルギーや過敏症のない人

ロキソニンSクイックが向いている人

ロキソニンSクイックは、胃を保護する成分が配合され、さらに素早く溶けるように錠剤が設計されています。次のような方はロキソニンSクイックを選んでみてください。

  • すぐに症状を抑えたい方
  • 胃の調子が気になる方

まとめ

市販のロキソニンは種類が多いため、どれを購入したらよいのか迷ってしまうかもしれません。違いを知って、自分に合うロキソニンを選びましょう。

  • 医療用と同じもの→ロキソニンS
  • 胃に優しいもの→ロキソニンSプラス
  • 胃に優しく、よく効くもの→ロキソニンSプレミアム
  • 胃に優しく、素早く効くもの→ロキソニンSクイック

いろいろと種類がありますが、病院のロキソニンを使って何もとくに気になることがなかったのであれば、普通のロキソニンSを使って問題ないと考えられます。胃の調子や、効果について気になる方はロキソニンSプラスやロキソニンSプレミアム、ロキソニンSクイックも視野に入れてみてください。

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岡本
元大手ドラッグストアのOTC専門薬剤師。日本でトップレベルの売上げと来客数を誇る繁忙店で経験を積みました。市販薬の正しい知識について発信中。現在は「マリモドラッグ」を含め大手WEBメディアで医療記事を執筆しています。