市販薬・健康

湿布薬「ロイヒ」の違いを比較!効果や成分を解説

肩こりや腰痛などにピンポイントで貼れるロイヒつぼ膏に代表される「ロイヒ」のシリーズ。

ロイヒつぼ膏の原点となる「ロイヒ膏」が発売されてからこれまで約90年もの間、日本人をはじめ海外の方にも愛されてきました。年々、商品数が増え、現在は次の9種類が販売されています。

  • ロイヒつぼ膏
  • ロイヒつぼ膏大判
  • ロイヒつぼ膏クール
  • ロイヒつぼ膏クール大判
  • ロイヒ膏ロキソプロフェン
  • ロイヒ膏ロキソプロフェン大判
  • ロイヒクリームフェルビ
  • ロイヒ膏フェルビ コンパクト
  • ロイヒ温シップフェルビナク
悩む人

種類によって効果は違うの?どれがよく効くの?

種類がいくつかあると、どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、ロイヒシリーズの効果や成分の違いを詳しく解説します。

岡本

この記事を読むことでロイヒの違いがわかりますよ。自分の症状にあうものを見つけてくださいね。

ロイヒの有効成分の違い

ロイヒの有効成分の違い

ロイヒのシリーズは、種類によって配合されている成分や形状、温感か冷感かなどが違います。

痛みの程度や使いやすさなどを基準にすると、自分に適したものを選びやすいでしょう。

ロイヒつぼ膏の有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
サリチル酸メチル7.17g痛みを抑える
l-メントール3.25g清涼感を与えて痛みをやわらげる
ハッカ油0.35g清涼感を与えて痛みをやわらげる
dl-カンフル2.51g血行をよくして痛みをやわらげる
チモール0.05g薬の品質を保つ(保存剤)
ノニル酸ワニリルアミド0.03g温感を与えて血行をよくする

「ロイヒつぼ膏」は、主成分としてサリチル酸メチルが配合された湿布薬です。

サリチル酸メチルは末梢神経を麻痺させ、血行を促進することで痛みを抑える働きをもちます。直径は2.8cmと小さめのサイズになっています。

ノニル酸ワニリルアミドが患部に刺激を与えて血行をよくしてくれるため貼るとややヒリヒリした感じがするかもしれません。

ロイヒつぼ膏大判の有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
サリチル酸メチル7.17g痛みを抑える
l-メントール3.25g清涼感を与えて痛みをやわらげる
ハッカ油0.35g清涼感を与えて痛みをやわらげる
dl-カンフル2.51g血行をよくして痛みをやわらげる
チモール0.05g薬の品質を保つ(保存剤)
ノニル酸ワニリルアミド0.03g温感を与えて血行をよくする

「ロイヒつぼ膏大判」は、ロイヒつぼ膏とまったく同じ成分であるサリチル酸メチルが配合された外用薬です。

「大判」ということもあり、ロイヒつぼ膏大判は直径が3.9cmと大きめの作りになっています。腰や背中のように範囲が広い部位に貼りたい方に向いているでしょう。

トウガラシと似た成分であるノニル酸ワニリルアミドが患部を温め、ほどよい刺激を与えてくれます。

ロイヒつぼ膏クールの有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
サリチル酸メチル6.7g痛みを抑える
l-メントール6.7g清涼感を与えて痛みをやわらげる
dl-カンフル3.3g血行をよくして痛みをやわらげる

「ロイヒつぼ膏クール」は、冷感タイプの湿布薬です。

これまで販売されていた温感タイプのロイヒつぼ膏の新しい仲間として加わりました。主成分はサリチル酸メチルです。末梢神経を麻痺させて血行を促進することで痛みを取り除きます。

直径2.8cmと小さめのサイズになっているので、痛みやコリがある部分にピンポイントで貼ることが可能です。

ロイヒつぼ膏クール大判の有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
サリチル酸メチル6.7g痛みを抑える
l-メントール6.7g清涼感を与えて痛みをやわらげる
dl-カンフル3.3g血行をよくして痛みをやわらげる

「ロイヒつぼ膏クール大判」は直径3.9cmと大きめに作られている冷感タイプの湿布薬です。

「ロイヒつぼ膏クール」と配合成分はまったく同じですが、大きさに違いがあります。背中や腰など広い範囲に貼りたいときに向いているでしょう。

ロイヒ膏ロキソプロフェン・大判の有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
ロキソプロフェンナトリウム水和物8.1g(無水物として7.14g)痛みと炎症を抑える

「ロイヒ膏ロキソプロフェン」と「ロイヒ膏ロキソプロフェン大判」は、主成分としてロキソプロフェンナトリウム水和物が配合された湿布薬です。

ロキソプロフェンナトリウム水和物は従来からあるロイヒつぼ膏に使われているサリチル酸メチルより高い鎮痛効果をもっています。

ロイヒシリーズのなかでもっとも鎮痛効果が高い商品です。1日1回貼るだけで24時間にわたり効果が持続します。

無臭タイプなので学校や仕事のときに使ってもにおいが気になりません。

岡本

ロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分の湿布薬では珍しい、温感対応です。

ロイヒクリームフェルビの有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
フェルビナク3.0g痛みと炎症を抑える
l-メントール3.0g清涼感を与えて痛みをやわらげる

「ロイヒクリームフェルビ」は、主成分としてフェルビナクが配合された外用薬です。

ロイヒ膏ロキソプロフェンの主成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物と比べると鎮痛効果はやや落ちますが、それでも高い効果を発揮してくれるでしょう。

ロイヒのシリーズでは唯一のクリームタイプとして販売されています。

患部にしっかり塗り込んで使いたい方、マッサージしながら使いたい方に向いている商品です。

塗り口にステンレスボールがついているので、手でマッサージしなくても心地よい刺激を与えられます。

ロイヒ膏フェルビ コンパクトの有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
フェルビナク5.0g痛みと炎症を抑える

「ロイヒ膏フェルビ コンパクト」は、フェルビナクを主成分として配合した湿布薬です。

6.1cm×6.1cmと、手のひらサイズになっているので、手が届きにくい腰や肩でも片手で簡単に貼れます。

温感タイプなので、患部を温めると痛みが改善される方に向いているでしょう。

においの元となる成分が配合されていないので、仕事や学校でも周りを気にせずに使用できます。

ロイヒ温シップフェルビナクの有効成分

成分名成分量(膏体100g中)効果
フェルビナク0.7g痛みと炎症を抑える
トウガラシエキス0.1g温感を与えて血行をよくする

「ロイヒ温シップフェルビナク」は、主成分としてフェルビナクが配合され、さらに温感作用のあるトウガラシエキスも加わった湿布薬です。

トウガラシエキスが患部を温めて血行をよくし、痛みをやわらげてくれます。サイズは10cm×14cmと、一般的な大きさです。

有効成分の違いまとめ

商品名ロイヒつぼ膏ロイヒつぼ膏大判ロイヒつぼ膏クールロイヒつぼ膏クール大判ロイヒ膏ロキソプロフェン・大判ロイヒクリームフェルビロイヒ膏フェルビ コンパクトロイヒ温シップフェルビナク
画像
サリチル酸メチル痛みを抑える7.17g7.17g6.7g6.7g
ロキソプロフェンナトリウム水和物痛みと炎症を抑える8.1g(無水物として7.14g)
フェルビナク痛みと炎症を抑える3.0g5.0g0.7g
l-メントール清涼感を与えて痛みをやわらげる3.25g3.25g6.7g6.7g3.0g
ハッカ油清涼感を与えて痛みをやわらげる0.35g0.35g
dl-カンフル血行をよくして痛みをやわらげる2.51g2.51g3.3g3.3g
チモール薬の品質を保つ(保存剤)0.05g0.05g
ノニル酸ワニリルアミド温感を与えて血行をよくする0.03g0.03g
トウガラシエキス温感を与えて血行をよくする0.1g
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ロイヒの効能効果の違い

ロイヒの効能効果の違い

ロイヒシリーズの効能効果は、種類によってやや違いがあります。

ロイヒつぼ膏・大判の効能効果

肩のこり、腰の痛み、打撲、捻挫、関節痛、筋肉痛、筋肉疲労、しもやけ、骨折痛

ロイヒつぼ膏とロイヒつぼ膏大判のみに「しもやけ」の効能効果があります。

ロイヒつぼ膏クール・大判の効能効果

肩こり、腰痛、関節痛、筋肉痛、筋肉疲労、打撲、捻挫、骨折痛

ロイヒクリームフェルビ・ロイヒ膏ロキソプロフェンなどの効能効果

肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、関節痛、筋肉痛、打撲、捻挫、腱鞘炎(手・手首・足首の痛みと腫れ)肘の痛み(テニス肘など)

  • ロイヒ膏ロキソプロフェン・大判
  • ロイヒクリームフェルビ
  • ロイヒ膏フェルビ コンパクト
  • ロイヒ温シップフェルビナク

これらの商品の効能効果は上記のとおりです。腱鞘炎や肘の痛みにも効果があります。

ロイヒの選び方

ロイヒの選び方

ロイヒは主成分の種類や温感か冷感か、湿布薬の大きさなどを基準に選ぶことで自分に合った商品を選べます。

「どれを買ったらいいの?」とお困りの方は、次のポイントを参考選んでみてください。

鎮痛効果が高いものがよい方

できるだけ高い鎮痛効果がある湿布薬をお探しの方には「ロイヒ膏ロキソプロフェン」や「ロイヒ膏ロキソプロフェン大判」がよいでしょう

ロイヒのシリーズのなかではもっとも鎮痛効果の高いロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分として配合されています。

1日1回貼るだけで24時間効果が続くので、貼り直すタイミングがない方にも使いやすいでしょう。

岡本

温感タイプなので、患部を温めると痛みがやわらぐ方にも向いています。

温めると症状が楽になる方

患部を温めると痛みがやわらぐ方には「ロイヒつぼ膏」や「ロイヒ膏フェルビ コンパクト」などがよいでしょう

温感タイプなので、患部をしっかり温めながら痛みを取り除いてくれます。このほか、ロイヒ膏ロキソプロフェンやロイヒクリームフェルビ、ロイヒ温シップフェルビナクも温感タイプです。

岡本

温感タイプの湿布薬は剥がしてすぐに入浴するとピリピリするので、お風呂の30分前には剥がしておくようにしましょう。

患部をマッサージしたい方

マッサージしながら痛みを取り除きたい方には、「ロイヒクリームフェルビ」がよいでしょう。

塗り口にボールがついているため、肌に当てて転がすだけで手を汚さずにマッサージできます。なめらかに伸びるクリームタイプになっているので、伸びがよく肌に負担を与えません。

岡本

ボールがついている外用薬はとても珍しい商品です。手を汚さずマッサージできるのは嬉しいですね。

痛みやコリにピンポイントで貼りたい方

痛みがある部位にピンポイントで貼りたい方には「ロイヒつぼ膏」や「ロイヒつぼ膏クール」がよいでしょう

片手で貼れるサイズなので、肩や腰のように手がとどきにくい部位にも1人で貼れます。

温感刺激が好きな方は「ロイヒつぼ膏」を、ひんやりするのが好きな方は「ロイヒつぼ膏クール」を選ぶとよいでしょう。

岡本

人気なのは温感タイプの「ロイヒつぼ膏」です。独特のジリジリした感じたやみつきになります。

適度な効果の湿布薬が欲しい方

「効き目が強すぎるのは副作用が不安」「かといって弱いのだとものたりない」という方には、「ロイヒ膏フェルビ コンパクト」がよいでしょう

サリチル酸メチルより効果が高く、ロキソプロフェンナトリウム水和物よりマイルドなフェルビナクが主成分として配合されています。

岡本

フェルビナクも十分に鎮痛効果が高い成分です。

鎮痛効果の高さを重視する方向けの湿布薬

鎮痛効果の高さを重視する方におすすめの湿布薬

いくつか種類のあるロイヒのうち、ロイヒ膏ロキソプロフェンは鎮痛効果が高い湿布薬です。

こちらでも十分に高い効果が期待できますが、実はもうワンランク効果が高い湿布薬もあります。それがジクロフェナクナトリウムが配合された湿布薬です。

ジクロフェナクナトリウムは市販の湿布薬のなかでは、もっとも鎮痛効果が高い成分として知られています。

ボルタレンEXテープにはジクロフェナクナトリウムが主成分として配合されているため、より高い効果が期待できるでしょう。

まとめ

ロイヒのシリーズは、種類によって鎮痛効果をもつ主成分や形状、大きさが違います。自分の痛みの程度や使いやすさに合わせてぴったりのものを探してみてください。

チェックポイント

・鎮痛効果が高いものがよい方→ロイヒ膏ロキソプロフェンロイヒ膏ロキソプロフェン大判
・温めると症状が楽になる方→ロイヒつぼ膏ロイヒ膏フェルビ コンパクト
・患部をマッサージしたい方→ロイヒクリームフェルビ
・痛みやコリにピンポイントで貼りたい方→ロイヒつぼ膏ロイヒつぼ膏クール
・適度な効果の湿布薬が欲しい方→ロイヒ膏フェルビ コンパクト

「ロイヒのシリーズじゃなくてもいいから効果が高いものが欲しい」という方には、もっとも高い鎮痛効果をもつジクロフェナクナトリウムが配合された「ボルタレンEXテープ」も検討してみてください。

岡本

ロイヒのシリーズはどれもオリジナリティーがあって面白い商品ばかりです。形状や成分などを見て自分に合うものを見つけてみてください。

ABOUT ME
岡本
元大手ドラッグストアのOTC専門薬剤師。日本でトップレベルの売上げと来客数を誇る繁忙店で経験を積みました。市販薬の正しい知識について発信中。現在は「マリモドラッグ」を含め大手WEBメディアで医療記事を執筆しています。