解熱鎮痛剤のバファリンには、下記のように非常に多くの種類があります。
- バファリンプレミアムDX
- バファリンプレミアム
- バファリンA
- バファリンライト
- バファリンEX
- バファリンルナi
- バファリンルナJ
- 小児用バファリンCⅡ
- 小児用バファリンチュアブル
なんと全部で9種類もあるのです。名前だけ見てもどれにどのような特徴があるのかまったくわからない状況になっています。
「プレミアム?DX?いったいどれを購入したらいいの?」と迷っている方がとても多いのではないでしょうか。そこで今回は、バファリンシリーズの成分や効果の違い、選び方などを詳しく紹介します。
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バファリンの有効成分の違い
バファリンは種類によって配合されている成分がまったく異なります。同じ成分が配合されていても量が違うものもあるので、ここでは成分の種類と配合量をそれぞれ見ていきましょう。
バファリンプレミアムの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
イブプロフェン | 130mg | 解熱鎮痛 |
アセトアミノフェン | 130mg | 解熱鎮痛 |
無水カフェイン | 80mg | 痛みを抑える働きを助ける |
アリルイソプロピルアセチル尿素 | 60mg | 痛みを抑える働きを助ける |
乾燥水酸化アルミニウムゲル | 70mg | 胃を守る |
バファリンプレミアムには、イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の解熱鎮痛成分が配合されています。ほかに鎮痛作用を助ける無水カフェインとアリルイソプロピルアセチル尿素、胃を保護する乾燥水酸化アルミニウムゲルも配合されていることが特徴です。
イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の解熱鎮痛成分を配合することで、高い効果を発揮するように設計されています。
イブプロフェンのみを配合するよりも、アセトアミノフェンも加えた合剤にするほうが鎮痛効果が高まる可能性があるといわれているためです。
バファリンプレミアムDXの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
イブプロフェン | 160mg | 解熱鎮痛 |
アセトアミノフェン | 160mg | 解熱鎮痛 |
無水カフェイン | 50mg | 痛みを抑える働きを助ける |
乾燥水酸化アルミニウムゲル | 70mg | 胃を守る |
バファリンプレミアムDXは、バファリンプレミアムと比較して解熱鎮痛成分のイブプロフェンとアセトアミノフェンが約20%増量している製品です。もともと販売されていたバファリンプレミアムの効果がさらに増したものといえます。
眠くなる成分が含まれていないので、学校や仕事があるときでも使いやすいでしょう。
バファリンAの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
アスピリン | 660mg | 解熱鎮痛 |
合成ヒドロタルサイト | 200mg | 胃を守る |
バファリンAは、バファリンのシリーズのなかでもっともノーマルなタイプの製品です。解熱鎮痛成分のアスピリンと、胃を守る働きがある合成ヒドロタルサイトが配合されています。
バファリンプレミアムやバファリンプレミアムDXと比べると効果は低めです。
バファリンライトの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
アスピリン | 440mg | 解熱鎮痛 |
合成ヒドロタルサイト | 200mg | 胃の負担を緩和 |
アスピリンと合成ヒドロタルサイトの2種類の成分が配合されています。含まれている成分の種類はバファリンAとまったく同じですが、解熱鎮痛成分のアスピリンの量がバファリンAより少ないことが特徴です。
「体のことを考えたライト処方」ということで、成分が少なめに配合されています。
バファリンEXの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
ロキソプロフェンナトリウム水和物 | 68.1mg(無水物として60mg) | 解熱鎮痛 |
乾燥水酸化アルミニウムゲル | 120mg | 胃を守る |
バファリンEXは、ロキソニンと同じ主成分であるロキソプロフェンが配合された製品です。バファリンのシリーズのなかではもっとも高い解熱鎮痛効果が期待できます。解熱鎮痛成分のほかに胃を守る成分も配合されていることが特徴です。
第一類医薬品に分類されているので、購入するときは薬剤師から説明を受ける必要があります。
バファリンルナiの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
イブプロフェン | 130mg | 解熱鎮痛 |
アセトアミノフェン | 130mg | 解熱鎮痛 |
無水カフェイン | 80mg | 痛みを抑える働きを助ける |
乾燥水酸化アルミニウムゲル | 120mg | 胃を守る |
バファリンルナiは、解熱鎮痛成分であるイブプロフェンとアセトアミノフェンの両方が配合されている製品です。眠くなる成分は含まれていません。
バファリンプレミアムに配合されている解熱鎮痛成分と同じものが同じ量だけ配合されていますが、バファリンプレミアムのほうは眠くなりやすい成分が配合されているという点が大きな違いです。
バファリンルナJの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
アセトアミノフェン | 100mg | 解熱鎮痛 |
バファリンルナJは、7歳から服用できる製品です。解熱鎮痛成分のなかでも効果がマイルドで胃に優しいアセトアミノフェンが配合されています。
小学生から服用できるので、子どもに使う場合に向いているでしょう。パッケージは生理痛専用のようなイメージになっていますが、頭痛や腰痛などに使用しても問題ありません。
小児用バファリンCⅡの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
アセトアミノフェン | 50mg | 解熱鎮痛 |
小児用バファリンは、3歳から服用できる解熱鎮痛薬です。子どもの熱や頭痛などに幅広く使用できます。
小児用バファリンチュアブルの有効成分
成分名 | 配合量(1回量あたり) | 効果 |
---|---|---|
アセトアミノフェン | 50mg | 解熱鎮痛 |
こちらも3歳から服用できる解熱鎮痛薬です。噛んで服用できるチュアブルタイプになっています。水なしで服用できるので、錠剤を飲み込むのが苦手な子どもにぴったりです。
有効成分の違いまとめ
商品名 | 効果 | バファリンプレミアム | バファリンプレミアムDX | バファリンA | バファリンライト | バファリンEX | バファリンルナi | バファリンルナJ | 小児用バファリンCⅡ | 小児用バファリンチュアブル |
画像 | ||||||||||
イブプロフェン | 解熱鎮痛 | ○ (130mg) | ○ (160mg) | ○ (130mg) | ○ (100mg) | ○ (50mg) | ○ (50mg) | |||
アセトアミノフェン | 解熱鎮痛 | ○ (130mg) | ○ (160mg) | ○ (130mg) | ||||||
アスピリン | 解熱鎮痛 | ○ (660mg) | ○ (440mg) | |||||||
ロキソプロフェンナトリウム水和物 | 解熱鎮痛 | ○ | ||||||||
無水カフェイン | 痛みを抑える働きを助ける | ○ | ○ | ○ | ||||||
アリルイソプロピルアセチル尿素 | 痛みを抑える働きを助ける | ○ | ||||||||
乾燥水酸化アルミニウムゲル | 胃を守る | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
合成ヒドロタルサイト | 胃を守る | ○ | ○ | |||||||
服用できる年齢 | 15歳以上 | 15歳以上 | 15歳以上 | 15歳以上 | 15歳以上 | 15歳以上 | 7歳以上 | 3歳以上 | 3歳以上 | |
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バファリンの効能効果の違い
非常に多くの種類があるバファリンのシリーズですが、効能効果に関してはすべての製品で同じです。
①頭痛、肩こり痛、月経痛(生理痛)、腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛、咽喉痛、歯痛、抜歯後の疼痛、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、外傷痛、耳痛の鎮痛
②悪寒、発熱時の解熱
パッケージの印象からバファリンルナiやバファリンルナJしか生理痛に使えないようなイメージをもってしまいますが、効能効果を見てもらうとわかるとおり、すべてのバファリンが生理痛に使用できます。
15歳未満であればバファリンルナJが候補となりますが、15歳以上であればバファリンプレミアムDXやバファリンEXなどを選んでも問題ありません。
解熱鎮痛効果はバファリンEX>バファリンプレミアムDX>バファリンルナi>バファリンルナJなので、症状の程度に応じて合うものを選びましょう。
バファリンシリーズを効果が高い順に並べると次のようになります。
- バファリンEX
- バファリンプレミアムDX
- バファリンプレミアム
- バファリンルナi
- バファリンA
- バファリンライト
- バファリンルナJ
- 小児用バファリンCⅡ、小児用バファリンチュアブル
バファリンの選び方
これだけの種類があると、成分の違いを見ても「結局どれを購入したらいいの?」と迷ってしまいますよね。そこでここでは、「こういう悩みがある方にはこのバファリン!」というように、選び方を紹介します。
高い効果を求める方
痛みや熱をしっかり抑えたいという方は、バファリンプレミアムDXやバファリンEXを選ぶとよいでしょう。バファリンシリーズのなかでも高い効果を発揮してくれます。
もっとも効果が高いのはバファリンEXです。ただしバファリンEXは第一類医薬品のため、薬剤師の説明を受けないと購入できません。薬剤師が不在のドラッグストアで購入するならバファリンプレミアムDXが候補となるでしょう。
眠くならないものがよい方
眠くならないものを使いたい方は、バファリンAやバファリンルナi、バファリンEXを選んでみてください。これらには、眠気が出やすくなる成分が含まれていません。
そのほか、バファリンライトやバファリンルナJ、小児用バファリンCⅡや小児用バファリンチュアブルも眠くなる成分を含んでいません。
子ども(15歳未満)から使えるものがよい方
小児用バファリンCⅡと小児用バファリンチュアブルは3歳から、バファリンルナJは7歳から服用OKです。15歳未満の子どもに使用する場合はこれら3つが候補となります。
小児用バファリンCⅡは水で飲むタイプ、小児用バファリンチュアブルは水なしで噛んで服用するタイプです。効果に違いはないので飲みやすいほうを選んでもらえたら問題ありません。
胃に優しく効果の高さを求める方向けの解熱鎮痛薬
バファリンのシリーズでもっとも解熱鎮痛効果が高いのはバファリンEXです。もしほかのシリーズでもよければ、さらに高い効果が期待できる解熱鎮痛薬があります。それがロキソニンプレミアムです。
ロキソニンプレミアムはバファリンEXと同様に主成分としてロキソプロフェンナトリウム水和物を含んでいます。これに加えてさらに次の成分が配合されていることが特徴です。
- アリルイソプロピルアセチル尿素
- 無水カフェイン
- メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインは痛みを抑える働きを高めるため、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは胃を守るために配合されています。
眠気が出てしまう恐れはありますが、バファリンEXより高い効果が期待できるでしょう。
まとめ
バファリンは種類によって配合されている成分の種類や量が異なります。以下を参考に自分に合うものを選んでみてください。
- 高い効果を求める方→バファリンプレミアムDX、バファリンEX
- 眠くならないものがよい方→バファリンA、バファリンルナJ、バファリンEX
- 子ども(15歳未満)から使えるものがよい方→バファリンルナJ、小児用バファリンCⅡ、小児用バファリンチュアブル
バファリンのシリーズでもっとも効果が高いのはバファリンEXですが、さらに高い効果を望む方はロキソニンプレミアムも検討してみてください。