市販薬・健康

傷跡ケア「アットノン」の違いを比較!効果や成分を解説

ケガや火傷の跡を目立たなくする効果のある「アットノン」。傷跡をケアできる市販薬の代表格です。

現在は次の4種類が販売されています。

  • アットノンEXジェル
  • アットノンEXクリーム
  • アットノンコンシーラータイプ
  • アットノンニキビあとケアジェル

種類がいくつかあるため、「どれが一番効くの?」「何か違いはあるの?」とお悩みの方も多いでしょう。

そこで今回は、アットノンの効果や成分の違い、選び方を詳しく解説します。

岡本

この記事を読むことで、自分に合ったアットノンがどれなのかがわかりますよ。最後に使い方や注意点も紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

アットノンが傷跡ケアに効く理由

アットノンが傷跡ケアに効く理由

そもそも傷跡が残るのは、傷を修復しようと作られるコラーゲンの仕業です。

傷口が治る過程で細菌に感染したり血行不良を起こしたりすると、コラーゲンによって傷口が盛り上がったり炎症が起きて赤くなったりして跡となってしまうのです。

アットノンの主成分であるヘパリン類似物質は、血行を促進して炎症を抑える働きがあります。さらに保湿作用によって傷跡のしこりやつっぱり感を改善するのです。

アットノンの有効成分の違い

アットノンの有効成分の違い

アットノンEXジェルとアットノンEXクリーム、アットンコンシーラータイプの3種類は医薬品、アットノンニキビあとケアジェルは医薬部外品として販売されています。

医薬品と医薬部外品とでは配合成分が異なるため、効果もやや違うのが特徴です。

まずはそれぞれの成分の違いを見ていきましょう。

アットノンEXジェルの有効成分

成分名成分量(100g中)効果
ヘパリン類似物質0.3gターンオーバーを促進する
血行を促進する
皮膚の水分を保つ
アラントイン0.2g皮膚の修復を助ける
グリチルリチン酸ニカリウム1g肌の炎症を鎮める

アットノンEXジェルは、ヘパリン類似物質が主成分のお薬です。

ターンオーバーと血行を促進し、傷ついた皮膚を修復して炎症を鎮めます。ジェルタイプになっているので、さっぱりした使い心地です。

アットノンEXクリームの有効成分

成分名成分量(100g中)効果
ヘパリン類似物質0.3gターンオーバーを促進する
血行を促進する
皮膚の水分を保つ
アラントイン0.2g皮膚の修復を助ける
グリチルリチン酸ニカリウム1g肌の炎症を鎮める

アットノンEXクリームも、ヘパリン類似物質が主成分のお薬です。

ターンオーバーと血行を促進し、皮膚の修復を促して炎症を鎮めることで傷跡を目立たなくしていきます。

クリームタイプなので、塗り心地はしっとりとしています。

アットノンコンシーラータイプの有効成分

成分名成分量(100g中)効果
ヘパリン類似物質0.3gターンオーバーを促進する
血行を促進する
皮膚の水分を保つ

アットノンコンシーラータイプは、ヘパリン類似物質のみが配合されたお薬です。

ヘパリン類似物質がターンオーバーと血行を促進し、皮膚にうるおいを与えて傷跡をケアしてくれます。

クリームの色が肌色になっているので、傷跡のケアをしながら目立たないように隠せることが特徴です。

アットノンニキビあとケアジェルの有効成分

成分名成分量(100g中)効果
ヘパリン類似物質不明ターンオーバーを促進する
血行を促進する
皮膚の水分を保つ
ビタミンC誘導体不明メラニン色素の生成を阻害する
グリチルリチン酸ジカリウム不明肌の炎症を鎮める


アットノンニキビあとケアジェルは、ニキビができた後に使う専用のお薬です。

ほかのアットノンとは違い、医薬部外品として販売されています。医薬部外品は成分量の記載がないため、それぞれの成分がどれだけ配合されているかは不明です。

ニキビ跡を目立たなくするのではなく、メラニン色素の生成を抑えてシミやそばかすを予防する効果がメインとなります。

ニキビが治った後に肌をケアするための商品です。

有効成分の違いまとめ

商品名アットノンEXジェルアットノンEXクリームアットノンコンシーラータイプアットノンニキビあとケアジェル
画像
ヘパリン類似物質0.3g0.3g0.3g不明
アラントイン0.2g0.2g0.2g
グリチルリチン酸ニカリウム1g1g1g不明
ビタミンC誘導体不明
詳細詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

アットノンの効能効果の違い

アットノンの効能効果の違い

医薬品として販売されているアットノンEXジェル、アットノンEXクリーム、アットノンコンシーラータイプと、医薬部外品として販売されているアットノンニキビあとケアジェルとでは効能効果が違います。

アットノンEXジェル・クリーム・コンシーラータイプの効能効果

きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手指の荒れ、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛

アットノンニキビあとケアジェルの効能効果

肌あれ・荒れ性・あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・ニキビを防ぐ。油性肌。かみそりまけを防ぐ。メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。皮ふをすこやかに保つ。皮ふにうるおいを与える。

「ニキビあと」と書かれているのでニキビ跡に効きそうなイメージをもちますが、効能効果にそのような記載はありません。

あくまで「ニキビができた後」に使うケア用の商品です。

アットノンの選び方

アットノンの選び方

「どのアットノンを購入したらいいの?」とお悩みの方は、次のポイントを参考に選んでみてください。

さっぱりした使い心地が好みの方

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アットノン
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ベタつかずさっぱりした使い心地が好みの方には、「アットノンEXジェル」がよいでしょう

ジェルタイプなので、重ねて塗ってもさらっとした仕上がりになります。

「皮ふに何か塗っている感」や「ベタつき」が苦手な方はアットノンEXジェルを選ぶとよいでしょう。

岡本

服に薬がつくのが嫌な方や、暑い時期に重いクリームを使いたくない方にも向いています。

しっとりした使い心地が好みの方

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しっとりした使い心地が好みの方には「アットンEXクリーム」がよいでしょう

ジェルと比べて油分が多いため、保湿効果も高くなっています。

「クリームのほうがきちんと塗れている気がする」「患部の保湿も一緒にしたい」という方は、アットノンEXクリームを選ぶとよいでしょう。

岡本

ジェルよりクリームのほうがお肌への負担が少なくなっています。お肌が敏感な方はクリームがおすすめです。

傷跡を隠しながらケアしたい方

【第2類医薬品】アットノンt コンシーラー 10g
アットノン

傷跡を目立たなくケアしながら隠したい方には、「アットノンコンシーラータイプ」がよいでしょう。

クリームの色が肌色になっているので、塗ることで傷跡をカバーできます。

化粧品のコンシーラーのようにしっかり隠すことはできませんが、傷跡の見た目を少しでも隠したい方に向いているでしょう。

岡本

傷跡をコンシーラーのように隠すことはできますが、アットノンEXジェルやクリームと比べると成分の種類が少なくなっています。効果を重視するならジェルやクリームのほうがよいでしょう。

ニキビが治った後のケア用品をお探しの方

ニキビができた後のお肌のケアを何かしら始めたいと考えている方には「アットノンニキビあとケアジェル」がよいでしょう。

ニキビ跡を目立たなくすることはできませんが、シミやそばかすを防ぐ効果が期待できます。

岡本

決して「ニキビ跡」を改善するお薬ではないことに注意が必要です。

アットノンの使い方は?顔に使える?よくあるQ&A

アットノンの使い方は?顔に使える?よくあるQ&A

最後に、アットノンに関する質問でよく聞かれるものを見ていきましょう。

Q:何歳から使えますか?

6か月ごろから使えます。

使用してお肌に問題が起きていないか確認しながら使用しましょう。ジェルよりもクリームのほうがお肌には優しくなっています。

Q:何日くらいで効果が出ますか?

1か月ほど様子を見ながら使用してみてください。

効果が出るまでには個人差があります。まずは1本使い切ってみて、変化が実感できたようでしたら、そのまま継続して使用してみてください。

Q:古い傷跡や火傷の跡にも効果がありますか?

1~2年前までの跡なら効果が期待できます。

アットノンを販売している小林製薬では、1~2年前までの傷跡や火傷跡に対して、効果があったことが確認されています。

Q:かさぶたに使っても良いですか?

かさぶたの状態には使用できません。

かさぶたができていたり、皮ふがピンク色の薄い膜のようになっているとき、傷がまだ治りきっていない場合は使用を避けてください。出血しやすくなったり傷の修復に影響が出る可能性があります。

Q:使い方を教えてください

1日1回から数回を患部に塗ってください。まずは1か月ほど毎日使ってみましょう。

アットノンは毎日続けて使うことで、効果を実感しやすくなるお薬です。1日1回から数回を目安に、1か月ほど継続してみてください。

Q:顔に使えますか?

目や目の周り以外なら使用できます。

ただし、皮ふのつっぱり感に対して使う場合は、顔には使用できません。

まとめ

アットノンは、主成分のヘパリン類似物質の働きによって傷跡を目立たなくするお薬です。

どれを購入するか迷っている方は、次のポイントを基準に選んでみてください。

チェックポイント

・さっぱりした使い心地が好みの方→アットノンEXジェル
・しっとりした使い心地が好みの方→アットノンEXクリーム
・傷跡を隠しながらケアしたい方→アットノンコンシーラータイプ
・ニキビが治った後のケア用品をお探しの方→アットノンニキビあとケアジェル

岡本

主流の商品はアットノンEXジェルとアットノンEXクリームです。ジェルかクリームなのかが違うだけで効果に違いはありません。自分の好きな使い心地のものを選んでみてください。

ABOUT ME
岡本
元大手ドラッグストアのOTC専門薬剤師。日本でトップレベルの売上げと来客数を誇る繁忙店で経験を積みました。市販薬の正しい知識について発信中。現在は「マリモドラッグ」を含め大手WEBメディアで医療記事を執筆しています。