点鼻薬「ナザール」の違いを比較！効果や成分を解説

佐藤製薬から販売されているナザールは、点鼻薬の定番ともいえる製品です。現在は次の5種類が販売されています。

このように、いくつか種類があるため、「違いは何？」「どれを選んだら良いの？」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。これだけの種類があると迷ってしまいますよね。

そこで今回は、ナザールの効果や成分の違いを詳しく解説します。

ナザールの有効成分の違い

ナザールのシリーズは、製品名に「スプレー」とつくものはアレルギー性鼻炎や、急性鼻炎による鼻水や鼻づまりを改善するもの、「ナザールαAR」とつくものは季節性アレルギーによる鼻水や鼻づまりを改善するものです。

では、それぞれ成分にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

ナザール「スプレー」の有効成分

成分名	成分量（100ml中）	効果
ナファゾリン塩酸塩	50mg	鼻づまりを改善する
クロルフェニラミンマレイン酸塩	500mg	鼻水や鼻づまりを改善する
ベンザルコニウム塩化物	10mg	鼻粘膜を殺菌する

ナザール「スプレー」の有効成分は、血管を収縮させて粘膜の腫れを抑えるナファゾリン塩酸塩が配合されています。即効性に優れているため、使用して数分程度で鼻づまりを改善させることが可能です。

ナザール「スプレー」はボトルを直接押してスプレーします。力加減によって出てくる薬液の量が変わるため、使うのには少々慣れが必要かもしれません。

ナザール「スプレー」（ポンプ）の有効成分

成分名	成分量（100ml中）	効果
ナファゾリン塩酸塩	50mg	鼻づまりを改善する
クロルフェニラミンマレイン酸塩	500mg	鼻水や鼻づまりを改善する
ベンザルコニウム塩化物	10mg	鼻粘膜を殺菌する

ナザール「スプレー」（ポンプ）の有効成分も、ナザール「スプレー」とまったく同じ成分が配合されています。

血管を収縮させて鼻づまりを改善させるナファゾリン塩酸塩が配合されているため、鼻づまりの改善に関しては即効性が期待できる点鼻薬です。

ナザール「スプレー」（ポンプ）は、一定量の薬液を出せるようになっているため、出し過ぎる心配がありません。

ボトルを押して使うナザール「スプレー」よりは使いやすさに優れている製品です。

ナザールスプレー（ラベンダー）の有効成分

成分名	成分量（100ml中）	効果
ナファゾリン塩酸塩	50mg	鼻づまりを改善する
クロルフェニラミンマレイン酸塩	500mg	鼻水や鼻づまりを改善する
ベンザルコニウム塩化物	10mg	鼻粘膜を殺菌する

ナザールスプレー（ラベンダー）も、ナザール「スプレー」やナザール「スプレー」（ポンプ）とまったく同じ成分が配合されています。

血管収縮剤のナファゾリン塩酸塩が配合されているので、すぐに鼻づまりを改善したい方に向いている点鼻薬です。

ラベンダーの香りがついているため、点鼻後はほのかに香りが残ります。

ナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉の有効成分

成分名	成分量（100g中）	効果
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル	0.1g	鼻水や鼻づまりを改善する

ナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉は、ステロイド成分を含んだ点鼻薬です。

血管収縮剤は入っていないため即効性はありませんが、数日使い続けることで鼻水や鼻づまりの症状をしっかり抑えてくれます。

「季節性アレルギー専用」と商品名にあるように、こちらは花粉症専用の点鼻薬です。

ナザールαAR0.1％C〈季節性アレルギー専用〉の有効成分

成分名	成分量（100g中）	効果
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル	0.1g	鼻水や鼻づまりを改善する

ナザールαAR0.1％C〈季節性アレルギー専用〉も、ステロイド剤が主成分の点鼻薬です。

ナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉との違いは、クールタイプがそうでないかというところのみ。商品名がとても似ていますが、よく見るとナザールαAR0.1％C〈季節性アレルギー専用〉と「COOL」の「C」が入っていることがわかります。

メントールが配合されているので、スプレーすると清涼感が広がることが特徴です。

有効成分の違いまとめ

商品名	効果	ナザール「スプレー」	ナザール「スプレー」（ポンプ）	ナザールスプレー（ラベンダー）	ナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉	ナザールαAR0.1％C〈季節性アレルギー専用〉
画像
ナファゾリン塩酸塩	鼻づまりを改善する	50mg	50mg	50mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩	鼻水や鼻づまりを改善する	500mg	500mg	500mg
ベンザルコニウム塩化物	鼻粘膜を殺菌する	10mg	10mg	10mg
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル	鼻水や鼻づまりを改善する				0.1g	0.1g
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ナザールの効能効果の違い

ナザールの効能効果は、ステロイドが入っているものとそうでないものとで異なります。自分に合った点鼻薬を選ぶためにも、効能効果も確認しておきましょう。

ナザール「スプレー」・（ポンプ）・（ラベンダー）の効能効果

ステロイドが入っていないタイプのナザール「スプレー」、ナザール「スプレー」（ポンプ）、ナザールスプレー（ラベンダー）は、アレルギー性鼻炎（花粉症）や鼻炎、副鼻腔炎などの症状に使用できます。

ナザールαAR0.1％・C〈季節性アレルギー専用〉の効能効果

ステロイド剤が主成分のナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉とナザールαAR0.1％C〈季節性アレルギー専用〉は、花粉症の症状のみに効果をもちます。

ナザールの選び方

ナザールは大きくわけると、血管収縮剤が入っているものと、ステロイド剤が入っているものとにわけられます。

花粉症の季節になるとどちらの製品も同じようにドラッグストアで陳列されているため、「どちらを選べば良いの？」「高いほう（ステロイド剤）が効くの？」と悩んでしまうのではないでしょうか。

選び方にお悩みの方は、次の基準を参考に選んでみてください。

すぐに鼻づまりを改善したい方

「今すぐ鼻の通りをよくしたい」「寝る前だけでも鼻通りをよくしたい」という方にぴったりなのが血管収縮剤が入っているナザール「スプレー」です。

点鼻してから5分程度で鼻がすっきりと通り呼吸が楽になります。血管収縮剤が入った製品は3種類ありますが、とくにこだわりがないのなら一番人気のナザール「スプレー」（ポンプ）を選んでおくとよいでしょう。

一定量をスプレーできるので使い勝手がよく、誰でも簡単に適量を噴霧できます。

花粉症で鼻水や鼻づまりにお悩みの方

花粉症による鼻水や鼻づまりには、ステロイド剤が主成分のナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉がよいでしょう。

即効性は残念ながらないため、スプレーしてすぐに鼻づまりが改善するものではありません。しかし、数日使い続けることでしっかりと症状を和らげることができます。

日本耳鼻咽喉科学会の会報にも

わが国では第２世代抗ヒスタミン薬をベース薬と捉え鼻噴霧用ステロイド薬を併用するのが最も多い処方例である．

引用：ガイドラインに基づいたアレルギー性鼻炎・花粉症治療―第２世代抗ヒスタミン薬を中心に―

と書かれていることから、しっかりと症状を抑えるためにはステロイド剤を選択することが基本であることがわかります。

花粉症の症状が気になる方向けの市販薬

花粉症の症状を抑えるには、抗ヒスタミン薬の飲み薬を併用することが基本です。

点鼻薬だけを使ってもなかなか症状を抑えきれないので、飲み薬も一緒に使いましょう。しかし、目のかゆみもある場合は飲み薬を使っても症状を抑えるのは難しいのが現状です。

そのため目にも症状がある方は、点鼻薬と飲み薬に加えて目薬も使用したほうが症状はやわらぎやすくなります。

眠くなりにくい飲み薬

耳鼻科でもっとも処方される数が多い抗ヒスタミン薬がアレグラ（フェキソフェナジン）です。（参考：花粉症薬、何を飲んでる？「アレルギー性鼻炎薬」処方患者数ランキング）

眠くなりにくい成分のため、学校や仕事があっても眠気を気にせず過ごすことができます。花粉が本格的に飛散する前から飲み始めることで症状の悪化を防げるので、早めに服用を開始することがおすすめです。

目のかゆみが気になる方

花粉症で目のかゆみもある方は、目薬も併用しましょう。飲み薬だけでは目のかゆみまでなかなか取り除けません。

エージーアイズアレルカットCは、今あるかゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩と、症状の悪化を抑えるクロモグリク酸ナトリウム、炎症を抑えるグリチルリチン酸などが配合されている目薬です。

価格のわりに成分が充実しているため、ドラッグストアでも多くの方が購入しています。

まとめ

ナザールは、血管収縮剤が入っているものと、ステロイド剤が主成分のものとにわけられます。血管収縮剤が入ったナザール「スプレー」などは花粉症や鼻炎、副鼻腔炎に使用できる点鼻薬です。

ステロイドが入ったナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉などは、花粉症に使用できます。

選び方に迷っている方は、次のポイントを参考に選んでみてください。

花粉症の場合、基本的には点鼻薬だけで症状を完全に抑えきることはできません。飲み薬の「アレグラ」や目のかゆみを抑える「エージーアイズアレルカットC」もうまく併用して、気になる症状を抑えましょう。