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AGA治療薬の種類は?臨床効果や選び方・入手方法を解説

「AGAの治療薬にはどのような種類があるの?」「それぞれの薬にはどういった効果があるの?」と疑問に思っていませんか?

AGA治療薬には複数の種類があり、それぞれ働き方や得られる効果が異なります。自己判断で薬を選んでしまうと、十分な効果が得られないこともあるでしょう。

この記事では、AGA(男性型脱毛症)の代表的な治療薬である「ミノキシジル」「フィナステリド」「デュタステリド」の3つについて、特徴や効果を詳しく解説します

薬剤師:岡本

AGA治療薬の選び方や処方してもらう方法も紹介しているので、参考にご覧ください。

AGA治療薬の一覧

AGA治療薬には、主に以下の3つの種類があります。

  • ミノキシジル
  • フィナステリド
  • デュタステリド

ミノキシジルは発毛を促すタイプ、フィナステリドとデュタステリドは抜け毛を抑えるタイプです。

薬剤師:岡本

AGA治療を始める前に、それぞれの治療薬の特徴を知っておきましょう。

ミノキシジル

ミノキシジルは、発毛を促す「攻めの薬」です。現在、主に次の3つの働きがあることが研究により分かっています。

  • 毛周期を整えて成長期の期間を長くする
  • 血管拡張作用により血流をよくする
  • 毛包周囲の毛細血管を増加させる

毛周期はヘアサイクルとも呼ばれ、「成長期」「退行期」「休止期」の3つに分けられます。成長期は髪の毛が太く長く育つ時期、退行期は成長が止まる時期、休止期は髪の毛が抜け落ちていく時期です。

成長期の期間は通常、2~6年ありますが、AGAを発症している方では数ヶ月から1年程度にまで短縮されています。これを元に戻して発毛を促すのがミノキシジルの役割です。

薬剤師:岡本

この他にも、血管を拡張して血流をよくし、毛母細胞に栄養素や酸素を届けやすくしたり、毛包周囲の毛細血管を増加させる働きもあります。

参考:大正製薬 「ミノキシジル」に新たな作用メカニズムを発見~毛包周囲の毛細血管増加作用~

フィナステリド(プロペシア)

フィナステリドはプロペシアの成分としても知られている「守りの薬」です。AGAは、ジヒドロテストステロン(DHT)が男性ホルモン受容体(男性ホルモンレセプター)に結合し、脱毛因子を誘導して毛母細胞の働きが抑制されることが発症します。

ジヒドロテストステロンを産生するのに必要なのが、5αリダクターゼ(5α還元酵素)と呼ばれる酵素です。テストステロンに5αリダクターゼが働くと、ジヒドロテストステロンが産生されAGAが進行します。

フィナステリドは、Ⅰ型の5αリダクターゼを阻害する働きを持つ薬です。これにより、ジヒドロテストステロンの産生を抑制し、AGAの進行を抑えます。

参考:沢井製薬株式会社 フィナステリド錠インタビューフォーム

デュタステリド(ザガーロ)

デュタステリドは、ザガーロの成分としても知られている薬です。

フィナステリドと同様に「守りの薬」として使用されます。デュタステリドも5αリダクターゼを阻害するものですが、フィナステリドとは違い、Ⅰ型とⅡ型の両方の5αリダクターゼを阻害する働きがあることが特徴です。

そのため、AGAに対する効果はデュタステリドの方が高いといわれています。高い効果が期待できることから、フィナステリドで効果が不十分だった方や、AGAが比較的進行している方に用いられます。

参考:第一三共エスファ株式会社 デュタステリド錠インタビューフォーム

AGA治療薬の臨床効果

「AGA治療薬を使うと、具体的にどれくらいの効果が期待できるの?」と気になっている方もいるでしょう。

ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドは、臨床試験や実際の治療データにもとづき、薄毛の進行を抑えたり発毛を促したりする効果が確認されています。

ここでは、それぞれの薬の臨床効果を詳しく見ていきましょう。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルには、内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)の2種類があります。各剤形ごとに分けて効果を紹介します。

ミノキシジルの内服薬の効果

前向き非盲検単群試験において、AGAの男性患者30名を対象にミノキシジルの内服薬5mを1日1回服用してもらった試験が行われました。

この試験では、治療開始から12週間後と24週間後に毛髪総数が有意に増加したことが示されています。毛髪数の改善は、前頭部よりも頭頂部で顕著に見られました。

参考:Low-Dose Oral Minoxidil for Alopecia: A Comprehensive Review

ミノキシジルの外用薬の効果

ミノキシジル5%配合の外用薬を20歳以上のAGA患者に使用してもらったところ、使用開始後16週間で81.2%の方が、24週間で89.6%の方で軽度改善以上の変化が見られました。

また、1cm2あたりの総毛髪数は治療前は1.4本でしたが、16週間後で22.3本、24週間後で21.8本に増えています。1cm2あたりの40μm以上の太さの毛髪数については、4週間後で0.8本だったところ、16週間後で26.4本、24週間後で25.6本に増加しました。

参考:大正製薬 リアップX5(ミノキシジル5%製剤)の効果を示す臨床試験データ

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フィナステリド(プロペシア)の効果

12件のランダム化比較試験を解析した3,927名のAGA患者を対象とした試験では、脱毛部1cm2あたりの硬毛数をフィナステリドの投与後6ヶ月後と24ヶ月後で確認したところ、プラセボ群よりも有意に増加していました。

また、414名の日本人を対象とした48週間にわたる試験では、フィナステリドを1日1mg投与されたグループでは58%、1日0.2mを投与されたグループでは54%で軽度改善以上の効果が見られています。

1日1mgを投与する試験をさらに継続し、2年後、3年後の状態を見た試験では、2年後で68%、3年後で78%以上の方で軽度改善以上の効果が示されました。

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

デュタステリド(ザガーロ)の効果

日本人のAGA患者120名を対象に52週間にわたりデュタステリドを1日0.5mg投与する試験を行ったところ、直径30μm以上の非軟毛数は52週に13.5/cm2、硬毛数は15.2/cm2、非軟毛直径は6.5nm増加しました。

また、皮膚科医のパネル3名による頭頂部の写真評価を26週と54週で行ったところ、いずれもベースラインより有意な改善が見られています。

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

AGA治療薬の選び方

AGA治療薬を選ぶ際は、ただ「有名だから」「勧められたから」という理由だけで決めるのではなく、自分の目的や体質、副作用リスクまで考慮することが重要です。

ここでは、AGA治療薬の選び方を紹介します。

目的に合わせて選ぶ

AGA治療薬は、大きく分けると「発毛を促す薬」と「抜け毛を抑える薬」に分類されます。例えば、新しい髪の毛を生やすことを目的にする場合は、ミノキシジルが最適です。

一方で、AGAの進行を抑えて抜け毛や薄毛の進行を止めたい方には、フィナステリドやデュタステリドが適しています。

どのような改善を求めるのかを明確にすることで治療薬の方向性が決まり、より効果的な対策が可能になります。

効果の強さで選ぶ

効果の強さを重視する場合、作用の仕組みや効果の範囲に注目することが必要です。

例えば、フィナステリドはⅠ型の5αリダクターゼしか阻害できませんが、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害できます。そのため、より強力に作用を発揮させたい場合は、デュタステリドを選ぶとよいでしょう。

臨床試験でデュタステリド0.5mg/日とフィナステリド1mg/日を比べたところ、全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れているとの結果が出ています

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

副作用リスクで選ぶ

AGA治療薬は、効果が認められている一方で、副作用も報告されています。代表的な副作用は、以下の通りです。

  • ミノキシジル(内服薬):多毛症
  • ミノキシジル(外用薬):頭皮のかゆみ
  • フィナステリド、デュタステリド:性機能障害(精子濃度減少、精子運動性低下など)

これらのリスクを許容できる範囲で、治療薬を選びましょう。

どのAGA治療薬を選んでも副作用が起こる可能性があるため、「この副作用は絶対に避けたい」というのを明確にしておき、自分に合うものを医師に処方してもらいましょう

ライフスタイルに合わせて選ぶ

AGA治療薬を選ぶ際には、効果や副作用だけでなく、日々の生活習慣やライフスタイルとの相性も重要です。ミノキシジル外用薬は、1日2回の塗布が必要なため、忙しい方や塗布するのを面倒に感じる方には負担になることがあります。

一方で、フィナステリドやデュタステリドは、1日1回の服用で済むことが特徴です。

また、副作用のリスクを考え、妊娠を希望する家庭では、パートナーへの影響を避けるために性機能障害が起こる可能性があるフィナステリドやデュタステリドは避ける場合があります。

薬剤師:岡本

このように、ライフスタイルに合った薬を選ぶことは、無理なく治療を続けてしっかり効果を得るために欠かせないものです。

AGA治療薬を処方してもらう方法

AGA治療薬は、ミノキシジルの外用薬以外は市販では購入できません。ミノキシジルの内服薬、フィナステリド、デュタステリドは医療機関で処方してもらう必要があります。

処方を受ける方法としては、次の2つが代表的です。

  • クリニックを受診する
  • オンライン診療を受ける

それぞれ、詳しく紹介します。

クリニックを受診する

AGA治療薬を処方してもらう最も一般的な方法は、クリニックを受診することでしょう。

医師による対面診察では、頭皮や髪の状態を直接確認してもらえるため、より正確な診断と適切な薬の提案を受けられます。血液検査を行い健康状態をチェックし、副作用リスクの有無を確認してもらえるのも特徴です。

また、治療を始めた後も定期的な通院により効果や副作用を確認してもらえるため、継続的なサポートが受けられます。一方で、診察や通院の時間が必要となるため、忙しい方にとっては負担になる場合もあるでしょう。

オンライン診療を受ける

近年では、スマートフォンやパソコンを利用してオンライン診療を受け、AGA治療薬を処方してもらう方法も広がっています。自宅にいながら医師の診察を受けられるため、時間や場所に縛られずに治療を開始できるのが大きな利点です。

処方された薬は自宅まで配送されるので、薬局に行く手間もありません。忙しい方や、近くに専門クリニックがない方に適した方法です。

AGA治療薬に関するよくある質問

最後に、AGA治療に関するよくある質問にお答えします。

AGAの治療薬をやめるとどうなりますか?

AGA治療を中止すると、薬の効果で抑えられていた抜け毛が再び進行し始めます。これは、AGAが進行性の病気であるためです。

ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドは一時的にAGAの進行を抑える働きがありますが、根本的な治療はできません。そのため、治療を中止すると再発する可能性があります。

AGA治療薬を飲むタイミングはいつがいいですか?

ミノキシジルの内服薬は1日1~2回、フィナステリドとデュタステリドは1日1回の服用が基本です。

ミノキシジルの外用薬は、朝と夜の1日2回、塗布する必要があります。内服薬については、食後・食前どちらに服用しても問題ありません。

AGA治療薬は通販で購入できますか?

AGA治療薬は、ミノキシジルの外用薬以外はAmazonや楽天市場などの通販では販売されていません。しかし、個人輸入代行サイトを利用すれば、医師の診察なしに購入できます。

ただし、個人輸入した薬には偽物や不明な成分が紛れ込んでいるリスクが高く、安全性が保証されていません。

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まとめ

AGA治療薬には、発毛を促すミノキシジルや、脱毛を抑えるフィナステリド、デュタステリドがあります。効果を実感するためには、自分の症状や目的に合った薬を選ぶことが重要です。

同時に、副作用や安全性についても理解しておく必要があります。

AGA治療薬を処方してもらう場合は、クリニックを受診するかオンライン診療を利用しましょう。AGA治療は長期的な継続が前提となるため、生活やお財布の負担を最小限に抑えながら続けられる治療を選ぶことが重要です。

薬剤師:岡本

AGA治療薬は人によって相性があります。効果や副作用のバランスを見つつ、医師に相談して自分にぴったりのものを処方してもらいましょう。

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