2018年10月3日に発売されたコムレケアヨコヨコ。
ヨコヨコといえばアンメルツヨコヨコを思うかべる方が多いのでは?実はコムレケアヨコヨコとアンメルツヨコヨコはどちらも小林製薬から販売されている医薬品です。
そしてコムレケアといえば足がつったときに飲むあのお薬ですよね。
つまりコムレケアヨコヨコは、足がつったとき用の外用薬として販売されたと言えるでしょう。しかし今までのアンメルツヨコヨコとは何が違うのかも気になりますよね。
では今回は、このコムレケアヨコヨコの成分や効果を詳しく解説していきましょう。
タップできる目次
コムレケア ヨコヨコの基本情報
まずはコムレケアヨコヨコがいったいどのような商品なのかを見ていくことにしましょう。コムレケアと商品名に名前がつくくらいですから、足がつったときに使うのは間違いありません。
商品コンセプト
素早く浸透!
足がつる時などの筋肉の痛みに
やはりコムレケアヨコヨコは足がつったときの痛み止めとして使うお薬なのですね。塗るタイプの痛み止めがアンメルツヨコヨコなどに代表されるようにすでに種類がいろいろとありますが、足がつった方をターゲットにした塗り薬はアンメルツヨコヨコが初ですね。
商品情報
〈販売メーカー〉
小林製薬
〈医薬品の分類〉
第二類医薬品
〈内容量〉
46ml
〈用法用量〉
1日2~4回、適量を患部に塗布
〈効能効果〉
筋肉痛、捻挫、関節痛、腰痛、腱鞘炎(手・手首・足首の痛みと腫れ)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、肩こりに伴う肩の痛み
〈参考価格〉
1,000円(税抜)
コムレケア ヨコヨコの成分と効果
初となる足がつったとき用の塗り薬が販売されたわけですが、成分や効果はどうなのでしょうか。
配合成分を1つひとつ見ながら効果をじっくり解説していきます。
配合成分(100g中)
- フェルビナク・・・3g
- トコフェロール酢酸エステル・・・0.5g
- l-メントール・・・6g
フェルビナク
フェルビナクは消炎鎮痛成分の仲間ですね。今回のコムレケアヨコヨコの主成分とも言える成分です。痛みの原因となる物質が産生されるのを抑えることで痛みを止めていきます。ちなみに湿布薬や塗り薬に含まれている痛み止めの中では効果が高い方です。
トコフェロール酢酸エステル
トコフェロール酢酸エステルはビタミンEのことです。これも湿布薬や塗り薬にはよく含まれています。血行をよくすることにより痛みを取り除いていく成分です。
l-メントール
l-メントールはスーっとする効果を持つ成分ですね。皮膚に冷感刺激を与えることで痛みを麻痺させたり血行をよくしたりします。
コムレケア ヨコヨコの効果
3つの配合成分を見ると、
- 痛みを取り除く
- 血行をよくする
といった効果がメインとなっていることがわかります。フェルビナクは鎮痛成分の中でも効果が高い方なので、痛み止めの効果は十分に期待できるでしょう。
参考までに市販薬の鎮痛成分の強さは以下の通りです。
ジクロフェナクナトリウム>フェルビナク>インドメタシン>サリチル酸
コムレケア ヨコヨコは足がつったときにしか使えない?
いいえ、そんなことは決してありません。あくまで商品コンセプトとして“足がつったときなどの痛み”としているだけで、他の湿布薬や塗り薬と同様に筋肉痛や捻挫、腰痛や肩こりなどにも問題なく使えます。
主成分のフェルビナクはコムレケアヨコヨコだけでなく、他の湿布薬や塗り薬にも当たり前のように使われている成分です。
そのため手元に湿布薬や塗り薬があるのに、あえて足がつったとき用にコムレケアヨコヨコを買う必要はないでしょう。
今までのアンメルツヨコヨコとは何が違うの?
“ヨコヨコ”といえばアンメルツヨコヨコ。
アンメルツヨコヨコの効能効果は以下の通りです。昔からある塗り薬で、肩こりや腰痛、筋肉痛などに使ったことがある方も多いでしょう。どちらも同じようなお薬に見えますが、何か違いがあるのでしょうか。
入っている成分や効果を以下の表で比較してみましょう。
ニューアンメルツヨコヨコ |
コムレケア ヨコヨ (46ml) |
|
参考価格(税抜) | 750円 | 1,000円 |
フェルビナク | × | ○ |
サリチル酸グリコール | ○ | × |
トコフェロール酢酸エステル | × | ○ |
l-メントール | ○ | ○ |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | ○ | × |
ニコチン酸ベンジルエステル | ○ | × |
ノナン酸バニリルアミド | ○ | × |
お薬の知識がない方が上の表を見ると
「アンメルツヨコヨコは成分が5種類も入っている!コムレケアヨコヨコは3種類しか入っていないからアンメルツヨコヨコの方が効きそう!」
って考えがちなんですが、どう頑張っても効果はコムレケアヨコヨコの方が上です。なんならかなり上です。
コムレケアヨコヨコに含まれている主成分は先程もお話したとおりフェルビナク、一方でアンメルツヨコヨコの主成分はサリチル酸グリコールというもの。
サリチル酸グリコールの効果は正直言ってとても弱いです。サリチル酸グリコールは知覚神経を麻痺させたり血行をよくすることで痛みを和らげる成分。痛みの原因となる物質の産生を抑える力はほとんどありません。
手元にアンメルツヨコヨコがあるからといって、足がつったときに塗ってもほとんど効果は実感できないでしょう。
コムレケアとコムレケアヨコヨコの違い
コムレケアは芍薬甘草湯という漢方薬を使ったお薬です。
筋肉がぎゅっと収縮することで足がつる状態になるのですが、芍薬甘草湯は収縮した筋肉をゆるめる働きがあるのでつった状態を元に戻してくれます。
一方でコムレケアヨコヨコは皮膚の外側からお薬を浸透させて痛みの原因物質を作らせなくすることで効果わ発揮するもの。筋肉の収縮を止める効果はありません。
コムレケアとコムレケアヨコヨコどちらがオススメ?
ダントツでコムレケアをオススメします。なぜならコムレケアはしっかりと筋肉の収縮を抑えてくれるからです。ただ単に痛みを抑えるよりも、痛みの原因となる筋肉の収縮を抑えてしまった方が症状も楽になりやすいでしょう。
しかもコムレケアは飲んですぐに効果が出るお薬です。漢方薬はすぐに効かないというイメージをお持ちの方もいますが、足がつった際に芍薬甘草湯を飲んだ場合は不思議なことにすぐにお薬が効き始めます。
常備薬として枕元に置いておられる方もいるくらい、芍薬甘草湯は足がつったときに効果的なんですよ。
コムレケア ヨコヨコの評価
足がつったときの痛みに使える塗り薬として新しく発売されたコムレケアヨコヨコ。痛み止めの効果は従来のアンメルツヨコヨコよりもかなり高く、効果も期待できると言ってよいでしょう。
しかしコムレケアヨコヨコでなくとも同じように鎮痛成分のフェルビナクを使ったものや、もっと効き目の高いジクロフェナクナトリウムを使ったものもあります。
つまりコムレケアヨコヨコでなくても足がつったときに使える塗り薬は他にもたくさんあるということです。
さらに足がつったとき、こむら返りが起きているときは芍薬甘草湯(コムレケア)を飲んだ方が痛みは取れやすいのでは?というのが私の考えです。
同じ価格帯でオススメの塗り薬は?
「足がつったときに使える」と大々的に訴えることであたかも新しいお薬のように見えるコムレケアヨコヨコですが、実は今までに販売されていたお薬にも同じようなものはたくさんあります。
なんならアンメルツのシリーズからすでに似たような成分を配合したお薬がすでに発売されています。
〈配合成分〉
・フェルビナク
・ノナン酸バニリルアミド
・l-メントール
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
〈特徴〉
主成分はコムレケアヨコヨコと同じフェルビナクですね。大きな違いといえばアンメルツゴールドEXには患部の炎症を抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩が入っていることくらいでしょうか。
アンメルツゴールドEXは80ml入り、コムレケアヨコヨコは46ml。お値段はほぼ同じなのに入っている量は倍くらい違います。主成分も同じフェルビナクを使っていますので、アンメルツゴールドEXを買ったほうがとてもお得ですね。
まとめ
市販薬の新商品は一見、新しく見えても中身を見てみたら今までのお薬と変わらないというパターンがほとんどです。今回のコムレケアヨコヨコもこのパターンですね。
足がつったとき用としてターゲットを新しく絞った販売方法をしているものの、中身はこれまで販売されていたお薬と変わりありません。
なんなら同じ小林製薬から効き目もほとんど同じで量が倍くらい入っている商品がすでに出ています。鎮痛成分を含んだ塗り薬として見れば悪くないのですが、あえて足をつったとき用にコムレケアヨコヨコを購入する必要はないでしょう。